「ねぇ、寝よう」
「え?」
いきなり言い出したジャスミン・フュンチェンの言葉にエメロードは驚いた。
ジャスミン・フュンチェンはベッドを指さして言った。
「昨日、一緒に寝てて気持ちよかった。またあたしと一緒に寝て!」
そうは言ってもベッドには気を失った村娘の姿がある。
だが放っておくとジャスミン・フュンチェンは村娘の体をベッドから突き落としかねない勢いだった。
エメロードはジャスミン・フュンチェンをたしなめた。
「そうね、でもその前に私、水浴びをしたいわ。いつも目を覚ましたら第一に体を洗うの」
そこで二人は月明かりの下、小川へ向かった。
小川のほとりでエメロードはワンピースを脱いだが、ジャスミン・フュンチェンは見ているだけだった。
「あなたも一緒に入らない?」
エメロードは誘ったが、ジャスミン・フュンチェンは恐ろしそうな表情で首を振るだけだった。
緑の子の特性だろうか、と思ったが、ジャスミン・フュンチェンの体から悪臭はしなかったのでエメロードは好きにさせた。
ジャスミン・フュンチェンは草むらに腰掛けて水浴びするエメロードを見ていた。
月の光にほの白く浮かび上がる美しい裸体。榛色の髪が腰まで届き、その下のまろやかな尻を導いている。柔らかそうな胸の先についた二つの紅い飾り。
(きれいだなあ・・・・・・)
うっとりとジャスミン・フュンチェンはエメロードの裸体を見つめていた。
自分の肌の色をおかしいと思ったことはなかったが、エメロードのような肌でも悪くない。ただしすぐに土にまみれてしまうだろうけど。
エメロードが水浴びを終えて川から出てくるとジャスミン・フュンチェンは立ち上がった。
「そうだ、あなたは食事はなにを食べるの?」
エメロードの質問にジャスミン・フュンチェンは首を傾げた。
「食事って?」
「なにも食べないの?」
「『食べる』ってなに?」
ジャスミン・フュンチェンの言葉にエメロードはそれ以上の追求をやめた。緑の子は食事を必要としないのだ。
「いいわ、なんでもないの。そしたらあなたとは一緒にいられるわね」
「エメロード、一緒!」
ジャスミン・フュンチェンはうれしそうに叫んだ。
ずいぶんなつかれたようだと面はゆく思ったが、さて自分の「食事」はどうしよう。
小屋に戻ると、娘の意識は戻っていた。だが、その様子は先ほどまでとは全然違うものだった。
「ん・・・・・・んん、う・・・・・・」
ベッドの上で入り口に背中を向けて丸くなり、縛られたままの両手を足の間に差し込んでいる。そこで行われている行為を想像してメロードは冷たい微笑を浮かべた。
「少しだけ外にいてくれる?」
緑の子どもにそう告げると、ジャスミン・フュンチェンは不満そうな顔をしたが、しぶしぶ従った。
「だいじょうぶ?あぶなくない?」
「大丈夫よ、こう見えても私は強いの」
そう言ってにっこり笑うとエメロードはジャスミン・フュンチェンを外に出した。
ドアを閉め、ベッドの娘に近づく。
「目が覚めたのね」
エメロードの声に娘の肩が跳ねた。振り向いた顔は情欲に潤んだものだった。
「あ・・・・・・」
「怖がることはないわ」
いっそ優しい口調でエメロードはなだめた。衣装箱を開けて必要なものを取り出す。
それを見た娘の目が大きく見開かれた。
男性器を模した木の張り型。
「あ、ああ・・・・・・」
ずり上がって逃げようとするが、下着の肩紐が落ちただけだった。
「そんなにほしいの?」
冷たい微笑を浮かべてエメロードが張り型を片手に迫る。
足の間を揉み込んでいた手は、庇うようにかたく押し当てられた。だが肌着の胸元を引き下ろされ、たわわな乳房が外気に触れ、その先端がエメロードの口に包まれたとたん―――、
「あ、ああああーっっっ」
エメロードの唾液は女には催淫効果がある。それが敏感な乳首に触れ、強く吸われたからたまらない。
娘は腰を突き出し、のどをのけ反らせて身を震わせた。足の間はとうにぐっしょり濡れて、それを隠すという考えは吹き飛んでいた。
エメロードは娘の肌着の裾を持ち上げると下半身を露わにした。濡れて色の変わったショーツを脱がせると、透明な糸が引かれた。
「あ・・・・・・あ・・・・・・」
羞恥に顔を染め、これから訪れる苦痛に娘は身をすくめた。
「力を抜いて・・・・・・」
優しくなだめるようにエメロードがささやく。ひくん、と娘はのどを鳴らした。
「ひっ、ああああーーー!!」
先端を押し当てると、張り型を一気に中まで押し込んだエメロードの下で娘が体を硬直させた。
「い、いたい、いたい・・・・・・」
ぽろぽろと泣く娘の涙を唇で吸いとると、ふいに犯されている娘に対して情愛がわいてきた。
「だいじょうぶ、だいじょうぶよ」
痛みに泣く体を撫でて、口づけて、やがてエメロードの頭は下半身に下りてきた。
先ほどから鼓動が速まり、息が荒くなってきていた。そこにあるもののために。
無骨な張り型を抜くと、そこには血がついていた。それをきれいに舐めとると、エメロードは直接娘の秘部に口をつけて吸い始めた。
「っあ!」
ぴくんと娘の腰が浮いて、つま先が折り曲げられた。エメロードは娘の下半身を浮かせるようにして傾け、より顔を寄せやすいようにした。
「―――!!」
娘は激しいエクスタシーとともに体から何かが抜けていくのを感じた。精神的ななにか―――が、たしかに自分の中から失われていった。
(なんておいしいの)
エメロードは「それ」を夢中ですすった。腹が、そして精神が満ちていくのが感じられた。生きている、と思った。
そこに憐れみなど感じられなかった。搾取するものと、されるもの。たった一度の供給関係だ。
「―――ごちそうさま」
娘が意識を失うと、腹を満たしたエメロードは満足げに言った。
【続く】
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