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ビアチカ【レズビアンエロチカ】*移転しました*

レズビアンでエロチカな漫画・小説・イラスト等を発信する創作集団【レズビアンエロチカ:略称ビアチカ】※18禁/百合/GL

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【小説】セックス・オン・ザ・ビーチ

「セックス・オン・ザ・ビーチ」

真っ青な空に、太陽が力強く照り輝いている。
 眼前に広がる深いエメラルドブルーは、まるで空が溶けてしまったようだ。白い波が洗う波打ち際はどこまでも白く、きめの細かい砂が敷き詰められている。
その浜辺の隅、椰子の葉が落とす影の中に、ケイトは白い華奢な裸体を横たえていた。隠すものもなく広げられた足の間に、海を渡ってきた風がかすかに触れてゆく。辺りに人気は全くないが、こうして無防備に肌を晒しているのはなかなか落ち着かないものがある。
「ご主人…もうヤですー…帰りましょおよー」
 恥かしさでか細くなったケイトの声に背後の茂みが揺れて、ひょっこりと褐色の肌をした女性が顔を覗かせた。彼女の名をロベリアという。
このロベリアは、近隣の街に雇われている傭兵である。傭兵とは言っても他の国と戦争をするわけではなく、様々なモンスターが徘徊するこの世界で、戦うことによって住人をその被害から護る仕事を請負っている。ケイトはそんなロベリアに憧れて従者になった、まだ見習いの身分である。
今日は、街から少し離れた海岸に出没するというモンスター撃退の依頼を請けてやってきた。一見人間の女性のような姿をしてはいるが、六本の腕を持ち、人を見ると襲い掛かってくるという。被害者の大半がこの浜辺でデートしていたカップルというのが一風変わっているが、提示された金額も悪くなかったので、万年金欠病のロベリアが二つ返事で引き受けてきた。
「うーん…来ないねえ…。折角美味そうなご馳走が転がってるってのに」
 困り顔で茂みから出てきて、転がったままのケイトの隣にロベリアが腰を下ろす。今回は囮作戦のため、いつも愛用している革鎧ではなく一般人のように綿の薄手の服を身につけている。
普段は鎧で支えている大きな胸が、余計重そうに見えた。どこもかしこも薄い体つきの自分より、むっちりと肉付きのいいロベリアのほうがご馳走に見えるのではないだろうかと、ケイトは声には出さないで呟いた。
 波が引いては寄せる音だけが静かに繰り返される。
ロベリアが暇そうにケイトのさらさらした赤い髪をいじって、ただ時だけがゆっくりと流れて行く。たまに背後の密林から聞こえる得体の知れない鳴き声が、丸裸のケイトを怯えさせた。
「今日は、きっともう来ないんですよ!…帰りましょう!ね!」
「…やっぱヤらないとダメなのかなあ」
何度目かのケイトの呼び声に、それまで考え事をしていたロベリアがぽつりと零した。聞き返す間もなく、ロベリアの身体がケイトの華奢な身体に覆い被さってきた。
柔らかく口付けられた後、舌で下唇をなぞられ甘く噛まれると警戒気味に閉じていたケイトの口は自然と開いてしまう。この後に深い口付けがくるという、ベッドでの躾の成果である。
たっぷりと唾液を絡ませながら、ロベリアの舌がケイトの口腔内を犯す。液体の立てる音がケイトの耳に卑猥に響いて、感度が上がってゆく。顎の裏側を丹念になぞられて、軽い快感が耳の後ろを駆け抜けて行く。ケイトの唇から唾液の筋と溜息に混じった小さな嬌声が漏れた。
「ぅ…ふぁ……」
 同時に、ロベリアの長い指もケイトの素肌の胸に悪戯を仕掛ける。まだ膨らみきっていない発展途上の白い乳房を、大きな掌ですっぽりと包み込んで押しつぶすように数度大きく揉みしだく。途端に薄桃色の先端が立ち上がり、興奮をロベリアに伝えてくる。
「ケイト、私のも」
 興奮を隠しきれない甘い声を耳元で囁かれて、ケイトは思わず砂を掴んでいた掌をおずおずとロベリアの身体に這わせる。大きく開いた襟元を少しずり下げて、はちきれそうな乳房の片側を露出させる。二つは出せなそうなので、もう一方は服の生地の上から爪でこりこりと弄ってみるとロベリアが熱い息を吐いた。
「ん…そう…もっと…いっぱい弄って…」
 大柄なロベリアがケイトに覆い被さった姿勢で砂に両肘を突く。半ば無心に目の前の乳房に吸い付いて、ぎこちない手つきながらケイトが愛撫を始める。時折小さく喘ぎを漏らしながら、ロベリアは重心を片腕に移すと空いた手でケイトへの愛撫を続ける。
 ミルク色の滑らかな腹部を過ぎ、太腿から尻までゆっくりと思わせぶりに撫で上げると、ケイトが僅かに身じろいだ。
「ふふ、どこに触って欲しい?」
 意地悪く脚の付根の薄い皮膚を爪の先でなぞると、困り顔のケイトが潤んだ瞳で見つめ返してくる。恥かしいのか、耳までが桜色に染まっている。
「可愛い…」
 上気した耳朶の端をぺろりと舐めて、ロベリアは割れ目に指を滑らせた。既に温かく息づいたそこはしっとりと蕩けている。小さな肉芽を二本の指で挟みこんで軽く動かすと、ケイトの喉から一際高い歓喜の声が漏れ――ぴたりと静止した。
「…――?…ケイト?」
「ご…ご主人…」
 不思議そうに覗き込むロベリアの背後を、震える白い指が指し示す。やや不満げながらもロベリアが首を捻って視線を移すと――そこに、六本の腕を持った女性が立っていた。
「こいつ…っ!」
 咄嗟に砂を蹴って立ち上がろうとするも、ケイトを踏みつけそうになって体勢が崩れた。
 尻を高く突き出すような姿勢でケイトの隣の砂に頭から突っ込む。ロベリアがどいた事で自由に動けるようになったケイトが、短く悲鳴を上げて身体を捻って避ける。
「ご主人!」
「畜生、ヤクシニーだ!」
 行為に夢中になりすぎて、目的をすっかり忘れていた自分に心の中で悪態をつきながら、ロベリアが太腿に挟んであった短剣を逆手に抜き放つ。ヤクシニーとは人に近い形をしてはいるがモンスターの部類に入る、いわば鬼人である。密林の奥に生息し、獲物を引き裂いて生のまま食べる。力は人の何倍もあり、人を喰う事、殺す事に何のためらいも持たない。
「ご主人…!」
 どうにかヤクシニーに掴まらずに済んだケイトは、ロベリアの愛用の大剣を茂みの裏から引っ張り出したが、渡すチャンスが見つからず、ただおろおろとするばかりである。
ヤクシニーは六本の腕を素早く使ってロベリアを背後から羽交い絞めにする。少し力を入れて捻り上げると、ロベリアの苦悶の声が短く響いて短剣が砂の上にぽそりと落ちた。
「…く…」
 ロベリアは両の腕を捻り上げられたまま、砂の上に再び膝をつかされる。腕に走る痛みにバランスを崩すも、腕を取られて四つん這いにもなれないので肩口で受身を取った。はだけられた汗ばむ胸に、砂がべったりとつく。
 屈辱的な姿を取らされたロベリアの胸中を、幾つかの思いが一瞬で過ぎった。これから自分は喰われるのか。ヤクシニーは一体自分をどこから喰うのか。どうにか逃れるすべはないのか。ケイトも喰うのか。
 ぐっと唇を噛み締めた瞬間、腿の裏側にヤクシニーの手が当てられ開かれるのを感じた。
「!?…ちょっ…!!」
 そのまま大きく左右に割り開かれる。次に布の裂ける音がして、ロベリアの秘部が直接海風を感じる。そして、幾つもの冷たい指の感触がロベリアのヴァギナに触れた。皮膚の感触からすると一つの手が陰唇を大きく広げ、一つの手が肉芽を摘み、残りの二つが最奥の入り口のあたりをさまよっている。腕に込められた力があまり丁寧といえないのを思い出し、ロベリアは抵抗するのを諦めた。一見した所女性体なので孕む危険性はないだろう。よしんば犯されて喰われるにしても、こんな場所から傷を付けられて終わるのも滑稽だ。
 まだ濡れたままだったからか、それともこれから起こることへ覚悟をしてしまったせいか。ロベリアの蜜口はすんなりとヤクシニーの指を二本飲み込んだ。
「う…ぁ…」
にゅるりと入ってくる、ケイトの指とはまた違う感触にロベリアの背筋が粟立つ。中の造りを確かめるようにかき回されると、押し殺した声がロベリアの喉から零れた。差し込まれる度にじゅぷ、と猥らな水音を立てる自分の肉が恨めしい。
「ふ…あ…ああっ…ぁ」
 乱暴とばかり思っていたヤクシニーだったが、意外と指先は繊細な動きを見せて段々にロベリアを高みへと追い詰める。一度、覆い被さるようにロベリアを犯していたヤクシニーが動いてロベリアの頭をまたぎ、尻を抱え込むように体勢を変えた。勿論腕は押さえつけたままである。
何が始まるのかとロベリアも身体を硬くしたが、次の瞬間剥き出しの尻に熱い息と長い舌を感じた。綺麗に引き締まった尻の肉を丹念にねぶると、舌が奥に差し入れられる。
「あっ、あああっ!」
 ヤクシニーは舌を器用に動かして、あふれ出る愛液を音を立て啜っている。指もロベリアの敏感な場所を見つけてしまったようで、ピンポイントを深く浅く抉ってくるようになっていた。いつの間にか足を押さえていた手がロベリアの豊かな乳に回り、先端を責めさいなんでいる。
「あっ…ぁああああっ、…っも……ダメ…っ」
 限界に到達したロベリアが、一際高い声を上げて果てる。いつもより身体中がビクビクと快感に波打っているのが感じられる。ヤクシニーはくたりと脱力したロベリアの愛液をあらかた舐め取ると、ようやく顔を上げてロベリアの中から指を引き抜いた。
 その瞬間。
 ぷすりと狙い済ました針が、ヤクシニーの尻の辺りに刺さる。服と装備を静かに身につけたケイトが背後に忍び寄って痺れ薬をたっぷりと塗った吹き矢を見事命中させたのだ。尻にかすかな痛みを覚えて何事かと振り返ったヤクシニーが、糸の切れた人形のように崩れ落ちる。
「やったあ!!」
 命中率が絶望的に低く、普段はしまい込まれているケイトの武器がこの吹き矢だった。その代わり一発でも当れば必ず効果が出るように、薬品の類は必要以上に塗りたくられている。ケイトの最愛の人であり主人であるロベリアが犯されているのは我慢ならなかったが、タイミングを誤るとロベリアまで傷つける事になりかねないので事の終わる瞬間をじっと待っていたのだ。
「ご主人!!やりましたよ!ご主人ってば!」
 嬉しさに跳ね回りながら、半分気を失っているロベリアに近付いて介抱する。持ってきた水で濡らした布で身体を拭いていると、ロベリアがうっすらと眼を開けた。
「多分、飯なんだ…」
「は?」
「いや、飯じゃないか。お菓子っていうか…私らが水のほかにココナッツジュース飲むみたいな感覚なのかも」
 ロベリアの言う意味が判らず戸惑っているケイトを尻目に、ロベリアの脳裏には以前街の図書館で見たヤクシニーの生態が蘇っていた。
『食事は塩辛いものを好む』
 まあ、引き裂いて喰われなかっただけマシと自分自身を励まして、ロベリアはまだ力の入らない腰をどうにか持ち上げた。さっきまで時間の経つのがあれほど遅いと感じていたのに、陽はもう傾いてきている。
「さ、ケイト。ヤクシニーふん縛って帰ろう。依頼はこれで果たせたでしょ。ついでにココナッツも拾って」
「はい!ご主人!」
 いつもの表情を取り戻したロベリアを見て、ほっと一息ついたケイトが荷物の中から荒縄を取り出してヤクシニーを縛り上げる。
 傭兵の仕事なんていつも身体を張っている。大きな怪我をするような危険な依頼より楽だったのかなとのんきな事を考えて、ロベリアは街に戻るための小船を波打ち際に押し出した。

END


作者:ツヅラカヅサ
ラブピースクラブ様コラム「週刊レズビアンエロチカ第24回配信分

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| 【ゲスト:小説】ツヅラカヅサ様 | 18:18 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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