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ビアチカ【レズビアンエロチカ】*移転しました*

レズビアンでエロチカな漫画・小説・イラスト等を発信する創作集団【レズビアンエロチカ:略称ビアチカ】※18禁/百合/GL

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【小説】西域女怪奇譚

西域女怪奇譚
ツヅラカヅサ

 貞観13年9月3日、一人の僧侶が西安から西へと向かって旅立った。はるか天竺国は霊鷲山大雷音寺にあるという、大乗の経典を求めるために。僧侶の名は陳玄奘(ちん・げんじょう)、帰国後に三蔵法師と呼ばれるようになる高僧である。
 その話は、妖怪の間でもすぐに噂になった。唐僧の徳の高さをたたえるための噂ではない。
「その唐僧ってのが、前世でも今生でも死ぬほど徳を積んでるらしくって。喰ったらきっと、魔王どころか魔神になれちゃうって噂。積んだ徳が高けりゃ高いほどあたしらの餌になりやすいってのに、二本の脚でトロトロ天竺まで旅しようってんだから、おめでたいよね」
 今や西安から西の地域の妖怪どもの話題は唐僧一色。どこを通っただの、どういう手段で喰ってやろうかだのそんな話があちこちで咲き乱れていた。
「董玉(とうぎょく)ねえさま、その続きの話は聞いたことは?」
「いや、あたしが聞いたのはここまで。朱璃(しゅり)、何か知ってるの?」
 西安から何千里も離れたこの荒野にも、噂は広がってきた。砂漠はもう目と鼻の先の、岩と低木がまばらにあるこの地域では、人より妖怪の方が数が多い。
言動から察せられるとおり、この董玉と朱璃も美しい女性の姿を取ってはいるが人間ではなかった。
亜麻色の髪と金色の目の董玉は、小柄で華奢な身体つきをしているが、一度暴れたら手がつけられない。夜の闇のような黒髪を綺麗に結い上げた朱璃はすらりと背が高く、冷たい青の瞳に睨まれた獲物は永遠に呪われる。見た目がどうであれ、周囲に住む妖怪たちに恐怖をもって噂されているのがこの二人の義姉妹だった。
「ねえさま、情報は正確に掴んでおくものです。唐僧には弟子がついたんですよ。五百年前、天界を荒らしまわったあの猿だとか」
「っ…斉天大聖(せいてんたいせい)…!?」
「しっ、アレは地獄耳です、余り口になさいますな…今は、かの弟子は孫と名乗っているとか。何日か前に私の眷属から報告がありました」
 読みかけの巻物から目を上げもしないで、朱璃が淡々と言う。朱璃の向かう机の端に腰を掛け、脚をぶらぶらさせていた董玉の顔色が一遍で青くなって凍りついた。
 斉天大聖というのは、石の卵から生まれ、五百年前に神仙の住む天界を大混乱に落としいれた化物猿である。悪戯が過ぎて山の下に封じ込められていたが、唐僧が弟子にするために封印を解いたという。
「眷属が、昨日荒野の入り口で見かけた…と」
 言葉が終わらぬうちに駆け出してゆきそうになった董玉の襟首を、朱璃がしっかりと掴んで押し止めた。
「何するの、朱璃!離してよ!」
「ねえさま、話を聞いておられました?弟子にあんな化物がついているのです、私たちが挑んでいっても瞬きする間に殺されますよ」
「そんなことないかも知れないじゃない!五百年寝てて目が覚めたばっかりなら、あたしだって勝てるかも!」
「万が一にもないです」
 吊り下げられて身長差で地に足が着かず、じたばたともがく董玉に朱璃がぴしゃりと言い放つ。そのまま鍵の掛かる部屋へ閉じ込めるつもりで――やみくもに暴れる董玉の爪の先が、朱璃の頬を軽く引っかいた。白い肌に紫色の細い筋が一本走って、溢れ出た体液が白桃のような頬を滑り落ちて床に滴った。
「…――」
「あ」
指先に手ごたえを覚えて、董玉がおそるおそる朱璃を振り返ると、黒髪の麗人は既にキれていた。
「ごごごごごめん朱璃!わざとじゃないの!すぐ爪切るから!」
「…そう」
 慌てふためきながらも怯えを滲ませる董玉に、朱璃が極上の微笑を浮かべる。しかしその青い目は少しも笑っていない。朱璃は静かに細く息を吐いた。
「朱璃、ごめん!ごめんてば!だから止め…う…ぅう…っ」
 朱璃が吐き出す息には、髪の毛よりも細く白いものが混じっていた。それがみるみるうちに董玉の手足に絡み付いて、董玉の背中を中心に壁や床に根を張る大きな蜘蛛の巣を形作った。朱璃が襟を放して董玉の全体重を預けても蜘蛛の巣は小揺るぎもしない。余りうるさくさえずる口には蜘蛛の糸で作ったさるぐつわを噛ませて、朱璃は頬の血を拭った。
「ねえさま、死にに行く気が変わらないようなら、最後の食事をしましょうか」
 自分の手についた血を舐め取って、部下の妖怪を呼び食料を持ってくるように言いつけた。食料とはもちろん人間である。
部下が地下にある牢に捕らえていた人間を連れてくると、朱璃は蜘蛛の巣にかかった董玉の高さまで掴み上げて首を真横に切り裂いた。ごろりと重いものが石の床に転がる音と共に、噴水のように赤い血が吹き上がる。飛沫を受けて、蜘蛛の巣がまだらに染まり、囚われたままの董玉の全身が真紅に濡れた。部屋の中に甘い血の匂いがむせ返るほど濃く立ち上った。
「…ねえさま…董玉ねえさま…」
 小さな無数の呟きと共に、朱璃の桃色の舌が董玉の髪や顔を這う。太い糸を噛まされて閉じられない董玉の口の端から伝った唾液も舐め、赤い雫がこぼれる顎の先端を軽く噛んで首筋を降りる。董玉の衣は朱璃の爪にかかってあっという間にはぎ取られ、董玉の白い肌を赤白まだらの糸がきつく締め付けた。
 朱璃の舌が、紅い血の筋を追って乳房に到達する。縦横に走る糸の間から、桃色をした董玉の乳首が勃ち上がっているのをつまみ出して朱璃が執拗に弄り回す。糸目から溢れる柔らかい肉を跡が残るほど強くついばんで、乳首に軽く歯を立てると、くぐもった声が漏れて自由を奪われた董玉の身体が小さく跳ねた。それでも手を止めることなく、朱璃は紅く充血した先端をこね、摘み、何度も吸い上げた。
「…ふふ、乳首、弱かったんでしたっけ?」
 しれっと朱璃が言って董玉の内腿を撫でると、そこには既に奥から溢れ出た体液が筋を作っていた。蜘蛛の糸が脚を大きく広げさせたまま董玉を縫いとめているので、腰を揺らめかす事も出来ない。
「そんなに飢えた目で見ないで下さいまし。今生の別れになるかもしれないのですよ?長く深く楽しまないではおられませぬ」
 董玉は涙の溜まる瞳で朱璃にもっと強い快楽を懇願したのだが、妹はせせら笑う調子で字面だけはしおらしい台詞をうそぶくだけだった。とらわれた董玉の片足の糸をぷちぷちと断つと、ひざまずいて舌を這わせる。ぬちゅぬちゅと音を立てて舐めると、白い腱がいじらしく張り詰めた。
白い滑らかな素足を骨に沿って這い上がり、腿の薄い皮膚に伝う体液を舌でなぞって愛撫を加えると、びくびくと最奥が期待に打ち震えている動きが肉を通して伝わってくる。ここで朱璃は立ち上がって董玉の口に噛ませた糸を断ち切った。
「…っはぁ…しゅり…いじわる」
 董玉の非難を遮るように、唇が深く重ねられる。もう既に弾んでいる董玉の息が、舌のもつれ合う粘液の音に切れ切れに混ざって肉の触れ合う感覚を増幅させる。何とか動かせる部分を可能な限り動かして、董玉は朱璃の唇を貪欲に求める。朱璃も火がついたように深く董玉の口腔を犯しては、唇を噛み、舌を吸う。
 互いに息が切れた所で、ようやく二つの唇は三寸ばかりの距離を取った。
「…やっぱり…だめです」
 朱璃の額が、董玉の額に軽く触れ合わされる。その整った顔には、苦痛の表情が浮かんでいた。朱璃の腕が、胴体を蜘蛛の巣に貼り付けている糸を切って董玉をきつく抱きしめる。非力ながらもその力の込め方に、董玉は自分に対する朱璃の思いの強さを感じて胸が切なく高鳴った。
「ねえさまを一人で行かせることなんか…できない」
「それって…一緒に行くって…?」
「…嫌です。ねえさまが死ぬのを見るのも嫌だし、私が死んでねえさまから離れるのも嫌」
 いつもは冷静すぎるくらいの朱璃が、わがままな子供のような喋り方をする。抱きしめ返してやりたいが、董玉の手足は蜘蛛の巣に囚われたままである。じっとして朱璃の抱擁を温かさを感じていると、不意に開かれた脚の間に割り込んでくるモノを感じた。最初は浅く入り口付近で出入りを繰り返し、徐々に深みへと侵入してくる。じゅぶ、ぶじゅ、という肉と体液の擦れあう音が静かな部屋に響き渡る。
「はっ…あ…ぁ…ぅ…っ」
「んっぅ…あ…」
 董玉の目の前で、朱璃も声を上げ始めた。いつの間にか淫猥な粘液の音が、二つ重なるように聞こえている。董玉からは朱璃の身体が邪魔をして見えないが、朱璃の腰のやや上辺りから着物を破って蜘蛛の脚が生えていた。その黒い脚が董玉と朱璃の秘部に深々と入り込んで抽出を繰り返していたのだ。
「ねえさま…唐僧が行き過ぎるまで…ずっとこうして犯してあげる…」
 うっとりと青い眼を細めて、朱璃が喘ぐ董玉に口づける。残りの二本の脚で敏感になった身体中をまさぐると、董玉の嬌声は一際高くなった。そして、再び長い息を吐いてから、朱璃は脚の動きを激しくさせた。
「やぁあっ、あぁっ、んあっ、っああっ」
「あぁっ…はぅ…ぁあっ」
 二人の重なり合う甘い鳴き声と、ぐちゅぐちゅといういやらしい音がマユのようになった蜘蛛の糸の隙間から漏れてくる。その音は朱璃が囁いた通り、唐僧がこの荒地を通り過ぎるまで三日三晩続けられたのだった。


「ああ、唐僧の肉が食べられれば、二人してずっと一緒に長生きできたのに…」
 まゆから解放されて数日間、二人は柔らかい寝台の上から動く事が出来なかった。残念そうに呟いた董玉の隣で、寝そべりながら巻物を広げる朱璃が隣にあるむき出しの尻をぴしゃりと叩く。
「まだそんな事を言って。ねえさまの力じゃ、文字通り蟷螂(とうろう)の斧。唐僧を襲った者は全滅だったというじゃないですか。いちかばちかの危ない橋を渡って力を手に入れるより、私はねえさまが生きていればいいんです、多少寿命が短かろうとも」
 叩いて赤くなった場所を、今度は指先で撫ではじめる。その好色な動きに、董玉が布団を引き上げて素肌を隠した。
「しかし、ねえさまの刃なら、糸を断ち切ることくらいできたでしょうに」
「…刃は腕の内側…わかってて背中に糸くっつけたくせに…」
 からかうような朱璃の言葉に、董玉は頬を膨らませて布団に潜ると、朱璃に背中を向けて丸くなる。巻物を放り投げて、朱璃がその背中から抱きしめた。
「唐僧が何万部経典を持ち帰ったところで、この荒野まで仏の力は及びませんから。魔王じゃなくても長生きできますよ」
「うん…」
 二人は互いの鼓動が確かに脈打っているのを聞きながら目を閉じた。いつもと変わらない、乾いた風が荒野を通り過ぎてゆく音が聞こえる。二人だけが、この世界に生きているような気がした。

| 【ゲスト:小説】ツヅラカヅサ様 | 21:54 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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【小説】セックス・オン・ザ・ビーチ

「セックス・オン・ザ・ビーチ」

真っ青な空に、太陽が力強く照り輝いている。
 眼前に広がる深いエメラルドブルーは、まるで空が溶けてしまったようだ。白い波が洗う波打ち際はどこまでも白く、きめの細かい砂が敷き詰められている。
その浜辺の隅、椰子の葉が落とす影の中に、ケイトは白い華奢な裸体を横たえていた。隠すものもなく広げられた足の間に、海を渡ってきた風がかすかに触れてゆく。辺りに人気は全くないが、こうして無防備に肌を晒しているのはなかなか落ち着かないものがある。
「ご主人…もうヤですー…帰りましょおよー」
 恥かしさでか細くなったケイトの声に背後の茂みが揺れて、ひょっこりと褐色の肌をした女性が顔を覗かせた。彼女の名をロベリアという。
このロベリアは、近隣の街に雇われている傭兵である。傭兵とは言っても他の国と戦争をするわけではなく、様々なモンスターが徘徊するこの世界で、戦うことによって住人をその被害から護る仕事を請負っている。ケイトはそんなロベリアに憧れて従者になった、まだ見習いの身分である。
今日は、街から少し離れた海岸に出没するというモンスター撃退の依頼を請けてやってきた。一見人間の女性のような姿をしてはいるが、六本の腕を持ち、人を見ると襲い掛かってくるという。被害者の大半がこの浜辺でデートしていたカップルというのが一風変わっているが、提示された金額も悪くなかったので、万年金欠病のロベリアが二つ返事で引き受けてきた。
「うーん…来ないねえ…。折角美味そうなご馳走が転がってるってのに」
 困り顔で茂みから出てきて、転がったままのケイトの隣にロベリアが腰を下ろす。今回は囮作戦のため、いつも愛用している革鎧ではなく一般人のように綿の薄手の服を身につけている。
普段は鎧で支えている大きな胸が、余計重そうに見えた。どこもかしこも薄い体つきの自分より、むっちりと肉付きのいいロベリアのほうがご馳走に見えるのではないだろうかと、ケイトは声には出さないで呟いた。
 波が引いては寄せる音だけが静かに繰り返される。
ロベリアが暇そうにケイトのさらさらした赤い髪をいじって、ただ時だけがゆっくりと流れて行く。たまに背後の密林から聞こえる得体の知れない鳴き声が、丸裸のケイトを怯えさせた。
「今日は、きっともう来ないんですよ!…帰りましょう!ね!」
「…やっぱヤらないとダメなのかなあ」
何度目かのケイトの呼び声に、それまで考え事をしていたロベリアがぽつりと零した。聞き返す間もなく、ロベリアの身体がケイトの華奢な身体に覆い被さってきた。
柔らかく口付けられた後、舌で下唇をなぞられ甘く噛まれると警戒気味に閉じていたケイトの口は自然と開いてしまう。この後に深い口付けがくるという、ベッドでの躾の成果である。
たっぷりと唾液を絡ませながら、ロベリアの舌がケイトの口腔内を犯す。液体の立てる音がケイトの耳に卑猥に響いて、感度が上がってゆく。顎の裏側を丹念になぞられて、軽い快感が耳の後ろを駆け抜けて行く。ケイトの唇から唾液の筋と溜息に混じった小さな嬌声が漏れた。
「ぅ…ふぁ……」
 同時に、ロベリアの長い指もケイトの素肌の胸に悪戯を仕掛ける。まだ膨らみきっていない発展途上の白い乳房を、大きな掌ですっぽりと包み込んで押しつぶすように数度大きく揉みしだく。途端に薄桃色の先端が立ち上がり、興奮をロベリアに伝えてくる。
「ケイト、私のも」
 興奮を隠しきれない甘い声を耳元で囁かれて、ケイトは思わず砂を掴んでいた掌をおずおずとロベリアの身体に這わせる。大きく開いた襟元を少しずり下げて、はちきれそうな乳房の片側を露出させる。二つは出せなそうなので、もう一方は服の生地の上から爪でこりこりと弄ってみるとロベリアが熱い息を吐いた。
「ん…そう…もっと…いっぱい弄って…」
 大柄なロベリアがケイトに覆い被さった姿勢で砂に両肘を突く。半ば無心に目の前の乳房に吸い付いて、ぎこちない手つきながらケイトが愛撫を始める。時折小さく喘ぎを漏らしながら、ロベリアは重心を片腕に移すと空いた手でケイトへの愛撫を続ける。
 ミルク色の滑らかな腹部を過ぎ、太腿から尻までゆっくりと思わせぶりに撫で上げると、ケイトが僅かに身じろいだ。
「ふふ、どこに触って欲しい?」
 意地悪く脚の付根の薄い皮膚を爪の先でなぞると、困り顔のケイトが潤んだ瞳で見つめ返してくる。恥かしいのか、耳までが桜色に染まっている。
「可愛い…」
 上気した耳朶の端をぺろりと舐めて、ロベリアは割れ目に指を滑らせた。既に温かく息づいたそこはしっとりと蕩けている。小さな肉芽を二本の指で挟みこんで軽く動かすと、ケイトの喉から一際高い歓喜の声が漏れ――ぴたりと静止した。
「…――?…ケイト?」
「ご…ご主人…」
 不思議そうに覗き込むロベリアの背後を、震える白い指が指し示す。やや不満げながらもロベリアが首を捻って視線を移すと――そこに、六本の腕を持った女性が立っていた。
「こいつ…っ!」
 咄嗟に砂を蹴って立ち上がろうとするも、ケイトを踏みつけそうになって体勢が崩れた。
 尻を高く突き出すような姿勢でケイトの隣の砂に頭から突っ込む。ロベリアがどいた事で自由に動けるようになったケイトが、短く悲鳴を上げて身体を捻って避ける。
「ご主人!」
「畜生、ヤクシニーだ!」
 行為に夢中になりすぎて、目的をすっかり忘れていた自分に心の中で悪態をつきながら、ロベリアが太腿に挟んであった短剣を逆手に抜き放つ。ヤクシニーとは人に近い形をしてはいるがモンスターの部類に入る、いわば鬼人である。密林の奥に生息し、獲物を引き裂いて生のまま食べる。力は人の何倍もあり、人を喰う事、殺す事に何のためらいも持たない。
「ご主人…!」
 どうにかヤクシニーに掴まらずに済んだケイトは、ロベリアの愛用の大剣を茂みの裏から引っ張り出したが、渡すチャンスが見つからず、ただおろおろとするばかりである。
ヤクシニーは六本の腕を素早く使ってロベリアを背後から羽交い絞めにする。少し力を入れて捻り上げると、ロベリアの苦悶の声が短く響いて短剣が砂の上にぽそりと落ちた。
「…く…」
 ロベリアは両の腕を捻り上げられたまま、砂の上に再び膝をつかされる。腕に走る痛みにバランスを崩すも、腕を取られて四つん這いにもなれないので肩口で受身を取った。はだけられた汗ばむ胸に、砂がべったりとつく。
 屈辱的な姿を取らされたロベリアの胸中を、幾つかの思いが一瞬で過ぎった。これから自分は喰われるのか。ヤクシニーは一体自分をどこから喰うのか。どうにか逃れるすべはないのか。ケイトも喰うのか。
 ぐっと唇を噛み締めた瞬間、腿の裏側にヤクシニーの手が当てられ開かれるのを感じた。
「!?…ちょっ…!!」
 そのまま大きく左右に割り開かれる。次に布の裂ける音がして、ロベリアの秘部が直接海風を感じる。そして、幾つもの冷たい指の感触がロベリアのヴァギナに触れた。皮膚の感触からすると一つの手が陰唇を大きく広げ、一つの手が肉芽を摘み、残りの二つが最奥の入り口のあたりをさまよっている。腕に込められた力があまり丁寧といえないのを思い出し、ロベリアは抵抗するのを諦めた。一見した所女性体なので孕む危険性はないだろう。よしんば犯されて喰われるにしても、こんな場所から傷を付けられて終わるのも滑稽だ。
 まだ濡れたままだったからか、それともこれから起こることへ覚悟をしてしまったせいか。ロベリアの蜜口はすんなりとヤクシニーの指を二本飲み込んだ。
「う…ぁ…」
にゅるりと入ってくる、ケイトの指とはまた違う感触にロベリアの背筋が粟立つ。中の造りを確かめるようにかき回されると、押し殺した声がロベリアの喉から零れた。差し込まれる度にじゅぷ、と猥らな水音を立てる自分の肉が恨めしい。
「ふ…あ…ああっ…ぁ」
 乱暴とばかり思っていたヤクシニーだったが、意外と指先は繊細な動きを見せて段々にロベリアを高みへと追い詰める。一度、覆い被さるようにロベリアを犯していたヤクシニーが動いてロベリアの頭をまたぎ、尻を抱え込むように体勢を変えた。勿論腕は押さえつけたままである。
何が始まるのかとロベリアも身体を硬くしたが、次の瞬間剥き出しの尻に熱い息と長い舌を感じた。綺麗に引き締まった尻の肉を丹念にねぶると、舌が奥に差し入れられる。
「あっ、あああっ!」
 ヤクシニーは舌を器用に動かして、あふれ出る愛液を音を立て啜っている。指もロベリアの敏感な場所を見つけてしまったようで、ピンポイントを深く浅く抉ってくるようになっていた。いつの間にか足を押さえていた手がロベリアの豊かな乳に回り、先端を責めさいなんでいる。
「あっ…ぁああああっ、…っも……ダメ…っ」
 限界に到達したロベリアが、一際高い声を上げて果てる。いつもより身体中がビクビクと快感に波打っているのが感じられる。ヤクシニーはくたりと脱力したロベリアの愛液をあらかた舐め取ると、ようやく顔を上げてロベリアの中から指を引き抜いた。
 その瞬間。
 ぷすりと狙い済ました針が、ヤクシニーの尻の辺りに刺さる。服と装備を静かに身につけたケイトが背後に忍び寄って痺れ薬をたっぷりと塗った吹き矢を見事命中させたのだ。尻にかすかな痛みを覚えて何事かと振り返ったヤクシニーが、糸の切れた人形のように崩れ落ちる。
「やったあ!!」
 命中率が絶望的に低く、普段はしまい込まれているケイトの武器がこの吹き矢だった。その代わり一発でも当れば必ず効果が出るように、薬品の類は必要以上に塗りたくられている。ケイトの最愛の人であり主人であるロベリアが犯されているのは我慢ならなかったが、タイミングを誤るとロベリアまで傷つける事になりかねないので事の終わる瞬間をじっと待っていたのだ。
「ご主人!!やりましたよ!ご主人ってば!」
 嬉しさに跳ね回りながら、半分気を失っているロベリアに近付いて介抱する。持ってきた水で濡らした布で身体を拭いていると、ロベリアがうっすらと眼を開けた。
「多分、飯なんだ…」
「は?」
「いや、飯じゃないか。お菓子っていうか…私らが水のほかにココナッツジュース飲むみたいな感覚なのかも」
 ロベリアの言う意味が判らず戸惑っているケイトを尻目に、ロベリアの脳裏には以前街の図書館で見たヤクシニーの生態が蘇っていた。
『食事は塩辛いものを好む』
 まあ、引き裂いて喰われなかっただけマシと自分自身を励まして、ロベリアはまだ力の入らない腰をどうにか持ち上げた。さっきまで時間の経つのがあれほど遅いと感じていたのに、陽はもう傾いてきている。
「さ、ケイト。ヤクシニーふん縛って帰ろう。依頼はこれで果たせたでしょ。ついでにココナッツも拾って」
「はい!ご主人!」
 いつもの表情を取り戻したロベリアを見て、ほっと一息ついたケイトが荷物の中から荒縄を取り出してヤクシニーを縛り上げる。
 傭兵の仕事なんていつも身体を張っている。大きな怪我をするような危険な依頼より楽だったのかなとのんきな事を考えて、ロベリアは街に戻るための小船を波打ち際に押し出した。

END


作者:ツヅラカヅサ
ラブピースクラブ様コラム「週刊レズビアンエロチカ第24回配信分

iBooks用ePubデータもご用意致しました。
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